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■「ぼくは漫画大王」

第3回島田荘司推理小説賞受賞作「ぼくは漫画大王」(著者・胡傑、翻訳・稲村文吾、原書名「我是漫畫大王」)がやっと翻訳出版された。原書が台湾で出版されたのが2013年9月だからもう3年近く前。もう翻訳出版されないのかと半ば諦めかけていたのだが、昨年、文藝春秋がクラウドファンディングを募り、翻訳出版にこぎつけた。
とはいえ、この島田荘司推理小説賞、受賞作は日本では文藝春秋から刊行されるというのがもともとの規定にあったはず。実際、第1回、第2回の受賞作品は台湾での刊行からほどなく文藝春秋から刊行されている。本来ならクラウドファンディングに頼らずともちゃんと刊行する義務があったと思うのだが。

さて内容だが、いきなり第十二章から始まるトリッキーな構成。.ある家で中年男性がナイフで刺し殺されているのが発見され、その家の中では子供が鍵のかかった部屋に閉じ込められていた。
このあと話は改めて第1章から始まり、奇数章では健ちゃんと呼ばれる子供の視点で、偶数章では方志宏という中年男性の視点で物語が進んでいく。健ちゃんは「週刊漫画大王」という漫画雑誌に出会って以来、漫画に夢中になり、いつしか漫画大王と呼ばれるようになるのだが、これが悲劇にもととなる。

(以下ややネタバレになるのでこれから本書を読む予定の人は読みとばしてください)





という叙述トリックの匂いがぷんぷん臭う構成で、実際予想の斜め上をいく、かなり無理のある仕掛けがあって楽しめる。

……のだが、ここで本書にはひとつ問題点がある。帯の表4側に書いてある内容紹介が明らかに間違っている。「ミステリーは第十二章から始まる。家出していた妻が自宅に戻ると、夫が殺され息子の健ちゃんは密室に閉じ込められていた……。」
いやいやいや、息子は健ちゃんじゃないし。たしかに本文でも読者の誤導を誘い、息子が健ちゃんであるかのような書き方をしているが、そこはフェアに方少年としか書いていない。「息子の健ちゃん」などと書いたら明らかに嘘になる。
帯の内容紹介文は著者や翻訳者は感知せず、編集者が書いていると思うのだが、この作品の肝になるところでこのミスは痛い。

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「全アジア メイド喫茶カタログ」「萌えるタイ読本」などの同人誌をつくっています。

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